「可視光通信」の研究開発ベンチャー企業であるランプサーブ(那覇市)は2014年3月27日、横浜市の観光スポット「横浜赤レンガ倉庫」でLED(発光ダイオード)通信の実証実験を実施すると発表した。実施期間は4月14日から10月31日まで。横浜市と、1号館を運営する横浜市芸術文化振興財団、2号館を運営する横浜赤レンガ(三菱商事とキリンホールディングスの合弁企業)が協力する。

 実証実験では、横浜赤レンガ倉庫1号館・2号館とその周辺の屋外で、無料の公衆無線LAN(Wi-Fi)サービスを提供する。屋内外に設置する無線LANアクセスポイント間の通信に、ランプサーブの光通信技術を使う。

 青色LEDの発光・受光によって100mの距離を接続し、200Mbpsの速度で通信する。実証実験では、太陽や他の人工物などの発光に左右されずに、安定的にサービスを提供できるかどうかを検証する。

 一般的な公衆無線LANサービスでは、アクセスポイント間の通信には、有線ケーブルか無線ネットワークを使う。有線ケーブルを使う場合は配線工事が必要で、横浜赤レンガ倉庫のような歴史的建造物での工事には困難を伴う。無線ネットワークは限られた周波数帯をスマートフォン/タブレットやゲーム機などの利用者と共用するため、通信が不安定になりがちだ。ランプサーブは光通信技術を活用することで、工事の容易さと通信の安定を両立させることを狙う。

 ランプサーブは、欧州のエストニアでも可視光通信の実証実験を実施している(日経ビジネスONLINEの関連記事:街灯から100メガの高速通信 LED可視光通信、エストニアで実証試験)。

ランプサーブのWebサイト