写真●ヤフーの宮坂学社長
写真●ヤフーの宮坂学社長
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 イー・アクセスとウィルコムの事業をソフトバンクから3240億円で買収し、子会社化すると電撃発表したヤフー(関連記事:[速報]ヤフーがイー・アクセスを買収、モバイルインターネット事業「Y!mobile」開始[続報]「ヤフーと同じくワイルドな会社に」、イー・アクセス買収の狙い)。

 OTT(Over The Top)プレーヤーが、MNO(移動体通信事業者)を買収するという、世界的に見ても類を見ない手を打ってきた形だ。ただ同社の宮坂学社長(写真)の会見における発言を聞くと、新会社となる「ワイモバイル」を手中に収めることで、ヤフーにとって着実なシナジー効果が図れることが見えてくる。発表会とその後の囲み会見における宮坂社長の質疑応答を一問一答形式でお伝えする(回答は編集部で要約)。

買収に至った経緯

どういった経緯でイー・アクセス、ウィルコムの買収に至ったのか。

 我々のほうからソフトバンクに対し、イー・アクセス、ウィルコムを売ってくれとお願いした。スピード的には3カ月くらいで決めた。

 現在のヤフーは、成長のかなりの部分をスマホの伸びによって担う会社になっている。今後、事業を伸ばしていこうと考えると、我々自身がスマホの普及を加速させてほうがよいと考えた。

 もちろん、これだけ大きな投資になるので議論も逡巡もあった。参入パターンをいくつも検討し、MVNO(仮想移動体通信事業者)でもよいのではという議論も相当やった。ただ現状のMVNOのビジネス環境を見た時、(目標として掲げた)1000万ユーザーを積み上げるには、端末やサービスプラン、販売チャネルについて最終決定権を持つ形で参入しないと、その目標に届かないと考えた。