特定非営利活動法人ITコーディネータ協会(ITCA)は2014年3月25日、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)と共同で、「IT融合人材育成連絡会」における成果物として最終報告書を発表した。

 IT融合人材育成連絡会は、産業構造審議会情報経済分科会人材育成WGが2012年9月に発表した次世代高度IT人材の育成に関する報告書を受けて、ITCAとIPAとが2013年5月に関連学会や業界団体、大手企業に呼びかけて組織したもの。一般社団法人日本情報システム・ユーザー協会(JUAS)、同情報サービス産業協会(JISA)、同情報処理学会、同経営情報学会などからもメンバーが参画している。

 同連絡会では、IT融合人材を「ITとビジネスを融合させ、顧客や社会に新たな価値を生み出し、改善から革新的な変革までを含む幅広いイノベーションを創出する人材」と定義し、具体的な育成と組織のあり方を検討してきた。

 IT融合人材を育成するためには、多様なバックグラウンドや価値観を持った人とのダイアログの中から新たな価値を発見することや、トライアル&エラーの中でビジネスにつなげることを、経験的に学習して自らのスキルにするための「実践的学習の場」が必要としている。

 イノベーションの生まれやすい組織にするには、経営者自身のイノベーションマインドとリーダーシップ、人材の多様性確保、ダイアログの重視、トライアル&エラーの許容、オープン志向、オーナーシップの発揮などが重要になるという。なお、ITCAとIPAは、検討内容を発表するセミナーを5月20日に開催する予定である。