写真●左から日本選手団の保坂和宏副団長、代表選手となる開成中学校の井上卓哉氏(中3)、灘高等学校の小倉拳氏(高2)、筑波大学附属駒場高等学校の隈部壮氏(高2)、開成中学校の髙谷悠太氏(中2)
写真●左から日本選手団の保坂和宏副団長、代表選手となる開成中学校の井上卓哉氏(中3)、灘高等学校の小倉拳氏(高2)、筑波大学附属駒場高等学校の隈部壮氏(高2)、開成中学校の髙谷悠太氏(中2)
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 情報オリンピック日本委員会は2014年3月24日、第26回国際情報オリンピック(IOI)台湾大会に出場する学生4人を選抜、公表した。同時に、2018年にIOIの日本開催を目指し、誘致活動を行うことも明らかにした。

 今回選ばれたのは、中学生2人、高校生2人(写真)。いずれも情報オリンピックの存在をきっかけに、プログラミングやアルゴリズムに興味を持ったという。IOI出場を目指し、TopCoderとCodeforcesといったプログラミングコンテストに参加して腕を磨いた。

 IOIは、高校生までの生徒を対象に、数理情報科学の問題解決能力を問う国際大会。与えられた情報処理の問題を解くプログラムを作成し、アルゴリズムの優劣を競う。毎年70~80カ国が参加する。

 IOIは個人戦が基本だが、メダル数による非公式の国別順位では、日本は2010年カナダ大会の2位(金2、銀2)が最高で、2013年オーストラリア大会では11位(金1、銀2)だった。世界的には、中国がトップレベルの実力を誇るほか、ロシア、韓国、台湾、アメリカ、東欧諸国が強豪に名を連ねるという。「今大会では3位以内を狙いたい」(元IOI日本選手で副団長の保坂和宏氏)。

 台湾大会は2014年7月13日~20日に台北で開催され、期間中に2日間、2回の競技が行われる。いずれの競技でも5時間で3~4問の課題について、C/C++/Pascalでプログラムを作成。計算に要する時間やメモリー消費量などを通じて、優劣を競う。

 アルゴリズムは、環境依存性が低いシングルスレッドが前提。この点は、超並列コンピュータでアルゴリズムの優劣を競う東京工業大学と大阪大学主催の国内コンテスト「SuperCon」とは対照的だ。

 台湾大会に出場する4人は、全国約1000人の学生が参加した選考課程から選ばれた。2013年12月15日の予選は998人が参加。このうち上位成績者63人と、追加招待者などを含めた77人が、2014年2月8日~9日の本選に挑んだ。

 そして本選の上位成績者19人が、2014年3月19日~25日まで春季トレーニング合宿を実施。この合宿での成績を基に、日本代表4人を選抜した。春期トレーニング合宿で出された課題は、以下のWebサイトで閲覧できる。

■変更履歴
記事掲載当初、第6段落で「東京工業大学主催の国内コンテスト「SuperCon」」と表記していましたが、「東京工業大学と大阪大学主催の国内コンテスト「SuperCon」」の誤りです。お詫びして訂正します。加えて、国内選考に関する表記や期日を修正しました。本文は修正済みです。[2014/03/25 14:15]