写真1●サッポログループマネジメントの石橋睦取締役グループIT統括部長
写真1●サッポログループマネジメントの石橋睦取締役グループIT統括部長
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 マイナンバー制度(行政手続番号法)についてサッポロホールディングスの石原睦・サッポログループマネジメント取締役グループIT統括部長(写真1)は2014年3月17日、「想定で制度開始時点までにグループ全体で数億円、その後も毎年継続して数千万円以上のコストがかかってくる」と語った。情報サービス産業協会(JISA)と日本情報システム・ユーザー協会(JUAS)の共催セミナーで明かした。

 また、石原IT統括部長は今春にも中核となる責任部署として、制度対応準備室を立ち上げると説明。業種や業態を超えた検討が必要なため、外部リソースを活用するという。

 制度準備室は他業務とのかけ持ちではなく全社横断的に対応を急ぐため、1つの案として、専従で経営戦略室から1人、グループCSR部1人、グループ人事統括部2人、IT担当2人を外部リソースからの派遣などで構成することを検討。「2年間専従でないと終わらない。極力実務に精通した中堅人材が必要。少なくとも春には立ち上げておく必要がある」(石原IT統括部長)と語った。

 マイナンバー制度は2016年1月開始。サッポログループはサッポロビールなど5つの事業会社があり、パート・アルバイトが多数在籍する外食産業もある。全従業員1万2000人の番号登録準備やIT関連システムの対応が大きな課題という。

 マイナンバー制度の企業経営へのインパクトについては、罰則が非常に厳しく、影響を受ける業務や部署が多岐にわたると指摘。施行に伴うリスクを企業に身近なもので例えると、「ECサイトにおけるクレジットカード番号漏洩よりもインパクトは大きいと思われる」という。

 準備期間が2年を切り、全事業会社が一斉に対応するため、石原IT統括部長は社内リソースだけでの対応は不可能という。コンサルタントやエンジニアなどの初期の段階から社外の専門家や事務対応要員の確保も大きな課題で、マイナンバーに関する業務・データで信頼できるサービサーの選定基準作りを進めていると述べた。