日本データマネジメント・コンソーシアム(JDMC)は2014年3月13日、「2014年 データマネジメント賞」の審査結果を発表した。大賞は大阪ガスと協和発酵キリンの2社だった(写真1、写真2)。
大阪ガスの受賞理由は、「包括的にデータマネジメントに取り組んでいる希有な企業」であること。大阪ガスはガス機器などの壊れやすい部品をデータ分析で検出し、修理の際に壊れやすい部品ベスト5の部品を持参するようにした。これにより、即日修理率を20%高めた。
同社ではデータ分析組織であるビジネスアナリシスセンターが、現場業務の視点に立った分析提案を継続的に実施し、事業部門の信頼を得ることに成功した。また、システム基盤を提供しているオージス総研など関連組織との役割分担が適切になされている。こうした総合的な活動内容と成果が、大賞受賞の決め手となった。
協和発酵キリンの受賞の決め手は、受発注などの受払、人事、会計という3つの業務を結ぶデータ連携システム「トランザクションHUB」の存在である。トランザクションHUBにより、各システム機能の独立性を保ったまま、情報システムの追加や入れ替えを容易に実行できるようにした。
トランザクションHUBは、協和発酵キリンが1990年代後半から継続的に構築してきた「マスターHUB」の延長線上のシステムとして構築したもの。マスターHUBでは各情報システムから切り出したマスターデータを一元管理している。JDMCは「協和発酵キリンが持つ一連の情報システムアーキテクチャは、クラウド時代における企業システムの理想型の1つ」と評価する。