「BI(ビジネスインテリジェンス)ツールを活用し、データの収集やレポーティングなどの業務を効率化した。従来は月間11日間を手作業の業務に費やしていたのをシステム化することで、生産性が2倍にアップした」

写真1●韓LGディスプレイでMES担当マネージャーを務めるHwanKyun Park氏
写真1●韓LGディスプレイでMES担当マネージャーを務めるHwanKyun Park氏
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 液晶ディスプレイ最大手の韓国LGディスプレイでMES担当マネージャーを務めるHwanKyun Park氏は、2014年3月14日、「日経産業新聞フォーラム2014 ビッグデータとモバイルで切り開く新しい世界」での講演のため来日。日経情報ストラテジーのインタビューに答えた(写真1)。同社は米マイクロストラテジーのBIツールを導入して、モジュールやパネルを製造する世界の製造拠点8カ所のデータを、坡州の拠点で集中管理している。2008年から導入し、6年を経た現在、全社員5万6000人が活用し「これがなければ業務が回らないインフラになった」と話す。

 LGディスプレイでは、モジュールやパネルの生産工程で多数のKPI(重要業績評価指標)を設定。「生産計画の順守率」「タクトタイム」「時系列の生産量」などのデータを取得して組織で共有することを徹底していた。膨大なデータを基幹システムから取得したり、レポートを作成するためにエクセルで加工したりする作業に手間がかかり、Park氏らが計測したところ、月間107時間を費やしていたことが明らかになった。「約11日分に相当し、月の約半分を効率の悪い手作業でムダに使っていることが分かった」(Park氏)

 BIツールの導入後は、各種KPIの定型的なレポート作成を自動化できるようになり、業務量が劇的に減った。加えて、様々な切り口でデータをダウンロードできるため、非定型レポートの作成にかかる時間も短縮。「従来無駄に使っていた11日を生産性の高い仕事につかえるようになった」(Park氏)。