写真1●発表会上ではモデルでイラストレーターの嘉山楓さんが「enchantMOON S-II」を使って描いたイラストを披露した
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写真2●ユビキタスエンターテインメントの清水亮 代表取締役社長兼CEO
写真2●ユビキタスエンターテインメントの清水亮 代表取締役社長兼CEO
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写真3●enchantMOONの専用クラウド「Skylab」を使い、Webブラウザー上で手書きした画像を表示する様子を示した
写真3●enchantMOONの専用クラウド「Skylab」を使い、Webブラウザー上で手書きした画像を表示する様子を示した
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 ユビキタスエンターテインメントは2014年3月14日、手書きの処理速度を高速化するなど改良を加えたタブレット端末「enchantMOON S-II」を発表した(写真1)。2013年7月に出荷開始した従来モデル「enchantMOON」とハードウエアは同じで、内部OSを作り変えた。従来はベクター形式で手書き画像のデータを記録していたが、新OSではラスター形式に切り替えて処理速度を高めた。

 従来モデルでは、ページを切り替える際などで動作が遅いといった不満がユーザーから寄せられていたという。これを改善するため、ベクター形式ではなく、ラスター形式で記録するように「ソースコードを0から書き直した」(清水亮 代表取締役社長兼CEO、写真2)。

 これによって、画像データを処理する際の負荷が少なくなり、ページの切り替えやハイパーリンクの呼び出しあるいはページ一覧の表示が速くなった。例えば、ハイパーリンクの呼び出しは従来45秒(平均40MB以上の複数のファイルによる平均値)かかっていたところ、2秒程度に短縮できたという。ペン描画の遅延も従来の112ミリ秒から最大で80ミリ秒に改善した。

 enchantMOON S-IIは4月から販売を開始する。直販価格は16GB版が税込みで4万9800円、32GB版が5万9800円。従来モデルのユーザーは、enchantMOON S-IIが搭載する新OS「MOONPhase 2.9.0」にアップデートすることも可能。従来のOSで作成済みの画像は、新形式のデータにコンバートできる。関連ツールとして、パソコン上でenchantMOONの画像データを表示できるエミュレーター「Gemini」や、enchantMOONの画像データを保存・閲覧できる専用クラウド「Skylab」も発表した(写真3)。

 enchantMOONの今後に関する計画も発表した。2014年後半には改良版の「enchantMOON S-IVB」、2015年には「MkII」を投入予定。「新しいものであるほど、世の中に受け入れられるまでは時間がかかる。目先の利益だけでなく、たゆまぬ努力で全力を注ぐ」(清水社長兼CEO)とさらなる改良に向けた意欲を示した。