写真1●審査後に記念撮影に収まった参加者ら
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最優秀賞を獲得したMagnetの初期画面
最優秀賞を獲得したMagnetの初期画面
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 野村総合研究所(NRI)は2014年3月8~9日の週末2日にわたり、「働き方を面白くする」ことを議題にしたハッカソンのイベント「NRIハッカソン Hack for “Work Design”」を開催した。社員と外部から募った参加者の混成チームを作って新規サービスを開発した。社員と外部人材が交わるハッカソンはNRIで初めての試みという(写真1)。

 60人程度の参加者のうち、3分の1がNRIのIT技術者やコンサルタントら社員で、残りをIT技術者を含む外部の参加者で構成した。イベントの企画に携わったイノベーション推進グループ上級テクニカルエンジニアの幸田敏宏氏は「内向きになりがちだった社内の技術者が、外の人材との交流でオープンな視野を獲得する良い機会になった」とイベントの意義を説明した。今後も継続して開催したい考えという。

 8~9日のハッカソンに先だって、3月1日にチームでアイデアを出力してまとめるアイデアソンを実施している。9日の発表会までに九つのチームに分かれてサービスを試作した。最優秀賞は「マグネット(Magnet)」が受賞した。これは、自分の専門分野を選ぶと、スキルアップにつながる書籍リストをメールで送信してくれるというサービス。NRIの嶋本正社長が見守る中、賞金10万円を手にした。

 Magnetの基本的な機能は、自分の職種を選ぶと、求人情報の分析からその職種で需要の高い「引っ張りだこ」のスキルを判断し、スキルを身に付けるための書籍をお薦めするというものだ(写真2)。今回の試作版では、職種は「開発」「デザイン」「ライティング(記事執筆など)」「事務」の四つを用意。各職種の求人情報に含まれる文言を解析して、どんなスキルの人気が高いかを時系列でグラフ化している。例えば、開発ならば解析によって「PostgreSQL」「スマートフォン」「Ruby on Rails」などスキルに関するキーワードが上位を占めた。

 ユーザーは初期画面で職種を選び、この時に自分のメールアドレスも登録する。登録が完了すると、選択した職種で「引っ張りだこ」のスキルをグラフですぐに示し、お薦め書籍をリストにしたメールを送信する。今回の試作版では、お薦めの書籍は書籍販売サイト「楽天Books」でスキルのキーワードを検索にかけ、最上位に表示された本をお薦めするというシンプルな方法で実装した。