VSANの構成
VSANの構成
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vSphereのコンソール上でVSAN(仮想SAN)を有効にすれば利用できる(別途ライセンスの購入は必要)
vSphereのコンソール上でVSAN(仮想SAN)を有効にすれば利用できる(別途ライセンスの購入は必要)
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 ヴイエムウェアは、IAサーバー内蔵のディスクをネットワーク経由で束ね、最大4.5ペタバイト(PB)の大容量ストレージを安価に構成できるソフト「Virtual SAN(VSAN)」を発売した。

 ほとんど使われず容量が余っていることの多いサーバー内蔵ディスクを有効利用することで、SANなど高価なストレージを使わずにVDI(仮想デスクトップ環境)を安価に構築できる。

 VSANは2013年8月に同社が概要を発表していたが、今回、正式発売となった(関連記事:[VMworld 2013]サーバー内蔵ディスクを仮想ストレージにする「Virtual SAN」、ヴイエムウェアが発表)。

 VSANは、仮想マシン(VM)の格納に特化したストレージソフト。ヴイエムウェアのハイパーバイザー「vSphere」の一機能として組み込まれている。vSphereの一画面で、ライセンス情報を入力して利用する。

ハイパーバイザーベンダーならではのソフト

 vSphereがクラスタ内のIAサーバーの内蔵ディスクを直接認識し、VMの格納領域である仮想データストアを構成する。VM格納に特化したことで、フロックレベルやファイルシステムレベルの設定をユーザーが意識しなくとも、VM格納領域を構築できる。SANストレージなどと異なり、RAIDやLUNの設定は無用だ。

 「vSphereのコンソール上で2クリックしてVSANの機能を有効にするだけで、VM格納用のストレージが出来上がる。当社のようなハイパーバイザーのベンダーでなければできないソフトを実現した」(同社マーケティング本部シニアプロダクトマーケティングマネージャの桂島航氏)。

 IAサーバーの内蔵ディスクを複数束ねて、大容量ストレージを安価に構成しするソフトは従来から存在する。だがそれらの多くは、ソフトを導入したIAサーバー自体がSANのブロックストレージやNASのファイルストレージ、あるいはオブジェクトストレージのサーバーになるというものだ。VSANはこれらとは異なり、FCやiSCSI、CIFSといった標準的なインタフェースで外部のサーバーに対しストレージを提供する機能はなく、あくまでハイパーバイザーのvSphereに対してのみ内部的にストレージ機能を提供する。