日本ストラタステクノロジーは2014年3月12日、無停止型(FT)サーバーを仮想化技術によって比較的安価に実現できるようにしたソフト「everRun Enterprise」を発表、同日出荷した。2台の物理サーバーにまたがった2台の仮想サーバー同士をミラーリング同期させることで、仮想サーバーの可用性を高める仕組み。開発会社は、米Stratus Technologies。

 everRun Enterpriseは、仮想サーバー環境(KVM)で動作し、仮想サーバーの堅牢性を高めるミドルウエアである。2台の物理サーバー(Xeon搭載機)にまたがった2台の仮想サーバー同士をミラーリング同期させる仕組み。これにより、物理サーバーの1台に障害が発生しても、もう1台の物理サーバー上で動作している仮想サーバーを動作させ続けることができる。

 ソフトウエアライセンスの他に、サポートサービス(初年度必須)を用意している。サポートサービスでは、製品の技術サポートに加えて、リモート接続による24時間365日の障害監視と、障害発生時の通知サービスを提供する。価格(税別)は、ソフトウエアのライセンスが物理サーバー2台の1セットで180万円、サポートサービスが年額36万円。別途オプションで、サイト間の非同期レプリケーションやDR(災害時復旧)などの機能も用意した。

 なお、everRun Enterpriseは、「everRun MX」(関連記事:米マラソンがXen仮想サーバー向け高可用性ソフトをデモ)と「Avance」(関連記事:ストラタス、ライブマイグレーション応用の簡易HAソフトに新版)という、既存の二つのソフトを統合した後継製品である(二つの旧製品も当面併売する)。FTサーバーを実現する基本機能はeverRun MXを踏襲しつつ、Avanceの使い勝手(インストールの容易さやユーザーインタフェース)を採用した。この背景には、everRun MXはAvanceと比べて導入/運用が難しかったという状況がある。

 これまでのeverRun MXやAvanceとの違いとしては、保護対象となる仮想サーバーを動作させるハイパーバイザーを、Citrix XenServerからKVMに変えている。また、FTサーバーの仕組みをeverRun MXに合わせたため、Avanceの高可用性機能は備えない。Avanceの高可用性機能とは、ハードウエア障害の予兆を検知した際に、物理サーバーから物理サーバーへと仮想サーバーを移動させるライブマイグレーションによって障害を回避するというもの。