写真●「TOCを活用したマネジメント改革セミナー」の様子
写真●「TOCを活用したマネジメント改革セミナー」の様子
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 大和ハウス工業グループが、IT部門の運営とITプロジェクトのマネジメント手法にTOC(制約条件の理論)を適用し、プロジェクトの納期順守率を向上させることに成功した。2014年2月28日に開催された「TOCを活用したマネジメント改革セミナー」(主催はメディアテック、協賛は富士通、富士通システムズ・ウエスト、大和ハウス工業)で公表した(写真)。

 TOCは物理学者の故エリヤフ・ゴールドラット博士が提唱した。全体最適の視点から一番弱い箇所や根本的な問題(ボトルネック)を探し、そこを重点的に改善することで全体の改善を狙うというのが基本的な考え方である。

 大和ハウス工業グループでは各種のITプロジェクトに対して、TOCに基づくCCPM(クリティカルチェーン・プロジェクトマネジメント)を適用中だ(関連記事:CCPMとは)。2週間以上の期間で実施される「スモール・プロジェクト」について、全数の約9割に当たる89.2%のプロジェクトが、見積り期間内に完了できるようになったという。また、全数のうち49.5%のプロジェクトについては、25%以上の期間短縮に成功したとしている。

 同社で実施しているスモール・プロジェクトの数は、2013年度上期(4~9月)で62件(実績)、2013年度通期では120件になる予定である。

 スモール・プロジェクトよりも規模が大きいプロジェクトは「ラージ・プロジェクト」と呼び、1カ月から3カ月程度の期間で開発フェーズを区切り、これを連続的に実施して成果物を出す形態のものを指す。

 今回発表した納期順守率は、スモール・プロジェクトのみを対象とした数値である。同社で実施しているラージ・プロジェクトの数は、2013年度上期で29件(実績)。2013年度通期では40件になる予定。