米Amazon.comがオンデマンドの音楽ストリーミングサービスを計画していると複数の米メディア(The VergeSlashGearなど)が現地時間2014年3月11日に米Wall Street Journalの記事を引用して報じた。

 Amazon.comは現在レコード会社や音楽出版社とライセンス料に関する交渉を行っている。Amazon.comの提示額は合計で2000万ドルとも3000万ドルとも言われているが、これにレコード会社などが合意するかどうかは分からないとWall Street Journalは伝えている。

 同紙によるとAmazon.comの狙いは、現在年会費79ドルで提供している商品配送優遇プログラム「Amazon Prime」の値上げ。同プログラムでは、商品が2日以内に届く急ぎ便サービスや、約4万本の映画・テレビ番組を視聴できるストリーミングビデオサービス「Prime Instant Video」を追加料金なしで提供している。だがここ最近、物流コストやライセンス料が上昇している。それらの費用を賄うため同社はAmazon Primeを20~40ドルの範囲で値上げし、サービスを追加しようと考えている。

 レコード会社や音楽出版社は何年もの間、Amazon Primeに音楽サービスを加えるよう働きかけてきた。Amazon.comも、米Pandora Mediaや英Spotifyといったサービスの人気に注目しており、Amazon版音楽サービスを模索していたという。

 Wall Street Journalによると、Amazon.comは楽曲を途中までしか再生しないというサービスを検討しているという。これにより同社のMP3ストアにおける音楽販売を促すという。米Appleが米国で提供している「iTunes Radio」は画面内に購入ボタンがあり、販売につなげている。Amazon.comのサービスも同様に販売促進の効果がありそうだと同紙は伝えている(関連記事:Apple、iOS 7との同期に対応した「iTunes 11.1」を公開)。