仮想通貨「Bitcoin」の取引所で民事再生手続き中のMt.Goxが、米国でも破産法適用を申請したと、複数の海外メディア(米Wall Street Journal米businessweekなど)が現地時間2014年3月10日に報じた。

 英Reutersによると、Mt.Goxは3月9日、米テキサス州ダラスの連邦破産裁判所に米連邦破産法15条に基づく外国倒産処理手続きを申請した。申請が受理されたことにより、Mt.Goxは日本での破産が認められる。日本における手続きを進めるために、米国内の資産を保護するよう裁判所に求めることができ、同社に対する訴訟は一時保留となる。

 Mt.Goxに対してはイリノイ州の住民がシカゴで訴訟を起こしており、集団訴訟としての取り扱いを求めている。またワシントン州シアトルでは米Coinlabが昨年、同社を契約違反で提訴し、7500万ドルの損害賠償を要求している。

 Mt.Goxは2月28日に東京地方裁判所に民事再生手続きの開始を申請し、サイバー攻撃により、利用客が預けていた75万BTCと自社保有分10万BTCのほぼ全て(2月28日時点のレートで合計約490億円)が消失したと説明した。負債総額は約65億円にのぼる(関連記事:Bitcoin取引所のMt.GOXが民事再生手続き、490億円相当のBitcoinがほぼ消失)。

 しかし、ハッカー集団が先週オンラインで公開したファイルは、Mt.Goxに約95万1116BTCの残高があることを示している。ハッカー集団は、Mt.GoxのMark Karpeles最高経営責任者(CEO)のブログを乗っ取り、同社のサーバーから盗み出したとする残高表をそこに掲載し、「ほとんどのBitcoinが消失したという主張は嘘だ」とKarpeles CEOを非難した(米Forbesの報道)。