ソニーとパナソニックは2014年3月10日、デジタルデータを長期保存するアーカイブ事業の拡大に向けて、業務用次世代光ディスク規格の「Archival Disc」(アーカイバル・ディスク)を策定したと発表した。
Archival Discの主な仕様は図1の通り。「クロストークキャンセル技術と高次のPRML信号処理技術を採用することにより、大容量化と高い再生信号品質との両立を実現した」という。
2社が公表した今後のロードマップ(図2)によると、2015年夏以降に1ディスクあたりの記憶容量が300GBのシステムを各社が順次市場導入していくことを目指す。その後2社が保有する技術をベースに、1ディスクあたりの記憶容量を500GB、1TBに拡大する計画である。2社は同日にArchival Discのロゴマークも発表している(図3) 。
2社によると、映像制作業界に加えて最近は、ネットワークサービスの進展に伴うデータ容量の増大によりビッグデータを扱うクラウドデータセンターなどでも、アーカイブのニーズが高まっているという。こうした現状を踏まえ、業務用領域において次世代の大容量光ディスク規格を積極的に推進し、貴重なデータを次世代に繋ぐソリューションの提案をしていく。
光ディスクは、保存時に温度・湿度の変化の影響を受けにくく、防塵性および耐水性などの対環境性に優れる。さらにフォーマット世代間の互換性が保証されているために将来にわたってもデータの読み出しが可能になるなど、コンテンツの長期保存に適しているとする。2社は、今後拡大が期待されるアーカイブ市場に対応するには、光ディスク1枚あたりの記録容量を上げることが必須との考えで一致し、業務用次世代光ディスク規格の共同開発を進めてきた。
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