写真●兵庫県立大学環境人間学部の竹内 和雄准教授(写真:行友 重治)
写真●兵庫県立大学環境人間学部の竹内 和雄准教授(写真:行友 重治)
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 「スマホの問題は、心の問題。ぜひ、子供たちの相談に乗ってあげてほしい」----。兵庫県立大学環境人間学部の竹内 和雄准教授が、2014年3月7日に「Cloud Days Osaka/ビッグデータEXPO/スマートフォン&タブレット/Security」の特別講演に登壇。「スマホの問題は心の問題~事例から考える、LINE・Twitter~」と題して、青少年の「スマホ問題」について講演した。竹内氏は、ITproで、「『スマホチルドレン』の未来のために」を連載中だ。

 竹内氏によれば、青少年の携帯/スマホ利用にかかわる様々な問題(ネット上のいじめや有害サイトの閲覧など)は、「日本では、1999年に携帯電話からインターネット接続ができる『iモード』が登場したときに、急に出てきた問題」という。2009年に施行された『青少年インターネット環境整備法』(青少年が安全に安心してインターネットを利用できるようにすることを目的とした法律。携帯電話事業者やインターネット接続事業者は、ユーザーが18歳未満の青少年の場合、コンテンツフィルタリングサービスを提供しなければならない)により、「子供たちはいったんは守られた」(同)。しかし、スマホの急速な普及で、2013年に青少年のスマホ利用が社会問題化。「今は、『さてどうするか』と皆が考えている段階だ」(竹内氏)。

 竹内氏は、携帯電話と違って、スマホはアプリを自由にダウンロードできることが特徴と話す。「ガラケーは写メを撮るときに必ずシャッター音がしたが、スマホは、シャッター音を消すアプリをダウンロードできる。これまでガラケーで日本が守ってきたものが、世界標準で崩れてきた」(同)。

 竹内氏は「子供が被害者になることがクローズアップされがちだが、実は、加害者にもなる。これが僕の問題意識」と言う。その例として、卒業生の少年(当時17歳)が小学校に侵入して教師を殺害した「大阪府寝屋川市立中央小学校教職員殺傷事件」を挙げた。「犯人は僕の教え子で、殺された教師は僕の友人だった。そして、加害者の教え子は、いじめられっ子だった」という。