米Appleが韓国Samsung Electronicsの一部スマートフォンの販売差止を求めていた裁判で、米カリフォルニア州北部の連邦地方裁判所は現地時間2014年3月6日、Appleの要求を退ける判断を下した。

 Appleは2011年4月に、複数のSamsung製品が同社特許およびトレードドレスを侵害しているとして提訴。地裁は2012年8月、Samsungによる特許侵害行為を認め、同社に10億5000万ドルの損害賠償支払いを命じた。そのうち一部についてはその後見直しが行われ、減額されている(関連記事:AppleとSamsungの特許訴訟、賠償額見直し裁判で2億9000万ドルの評決---米報道)。Samsungに科される賠償金は、昨年見直された約2億9000万ドルと、それ以前に確定していた約6億4000万ドルを合わせて約9億3000万ドルとなる。

 Appleは、賠償金の支払いだけでは「十分な是正措置とはいえない」として、一部Samsung製品の米国における製造や販売、および米国への輸入を恒久的に禁じるよう申し立てていた。しかし今回Lucy Kof判事は、「Appleは恒久的差止の根拠を十分に裏付けることができていない」と判断し、要求を棄却した。

 米メディア(Wall Street Journal)の報道によると、Samsungは損害賠償の金額が「誤った計算方法に基づいている」として上訴する意向を示している。なお両社は先月、和解の道を探るべく協議中と伝えられたが、和解合意に至らなかった。今月も別の審理が行われる予定で、今度は「Galaxy S III」を含む、より新しいSamsung製品が対象となる。

[発表資料(DocumentCloudで公開された裁判所資料)]