米誌「Newsweek」のデジタル版は、仮想通貨「Bitcoin」の発案者「Satoshi Nakamoto(中本 哲史)」氏を特定したとする記事を現地時間2014年3月6日に公開した。同氏はカリフォルニア州ロサンジェルス郊外に住む64歳の日系米国人男性で、その名が本名であることが分かった。

 Bitcoinは、Satoshi Nakamotoを名乗る人物の論文をベースに開発され、2009年に運用が始まった。Satoshi Nakamoto氏の正体は不明で、偽名の可能性も考えられていた。

 Newsweekによると、同氏は1949年7月に3人兄弟の長男として大分県別府市に生まれ、1959年に母親の再婚に伴って米国に移住した。カリフォルニア州立工科大学を卒業した23歳のとき以来、日常生活では「Dorian S. Nakamoto」の名前を使っている。

 Newsweekの記者は、2カ月の調査期間を経たのち、直接本人を訪ねた。対面した際の同氏の様子は「よれよれのTシャツに古ぼけたジーンズ、ぼさぼさの髪」と記述されている。

 同氏は質問に答えることを断固拒否したが、「もうそれ(Bitcoin)には関わっていないし、話すことはできない」「すでに別の人々の手に渡り、彼らが管理している」と、Bitcoinプロジェクトにかつて関与したことは暗に認めた。

 鉄道模型を趣味とするSatoshi Nakamoto氏のキャリアは謎に包まれ、大手企業や米軍の機密情報に関わる仕事に携わっていたらしいが、詳しいことは家族ですら知らない。

 Satoshi Nakamoto氏は4億ドル相当のBitcoinを所有していると見られている。