写真1●基調講演を務めた柴田昌治氏。『なぜ会社は変われないのか』などの著作にファンも多い
写真1●基調講演を務めた柴田昌治氏。『なぜ会社は変われないのか』などの著作にファンも多い
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写真2●来場者は120人を超えた
写真2●来場者は120人を超えた
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写真3●パネルディスカッションでは来場者からの質問に答えた
写真3●パネルディスカッションでは来場者からの質問に答えた
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 日経情報ストラテジーは2014年3月6日、都内で「柴田昌治氏と考える風土改革セミナー」を開催した。風土改革の第一人者であるスコラ・コンサルトの柴田昌治プロセスデザイナー代表と(写真1)、同氏が支援した2社の経営者が登壇。120人を超える来場者が、風土改革のリアルストーリーに聴き入った(写真2)。

 基調講演は柴田氏。「成果を出す会社はどう考え、どう動くのか」をテーマに、「やらされ感とこなし作業」で社員の働く意欲が低下し、突出した成果が生まれにくくなっている現状を分析。内的な熱意を引き出すための場作りが重要であることを説いた。

 事例講演ではまず、企業のオフィス構築を手掛けるコクヨファニチャー関西営業本部の影井昭彦執行役員本部長が登壇。同社が取り組む提案営業の強化について語った。「顧客からの要請をそのまま受け取るのではなく、顧客が抱える課題を自らの言葉で考え、具体的な解決策を提供するのが提案営業の本質」と話し、社員が仕事の目的や意味、意義を考えるために、柴田氏が提唱する「オフサイトミーティング」を活用した過程を振り返った。

 続いて登壇したトヨタカローラ大分の毛利春夫代表取締役副社長も、オフサイトミーティングについて語った。14年にわたって取り組むなかで、社員による7つのプロジェクトが生まれた。トップセールスや女性社員、サービス担当者らが新しい仕事に主体的に取り組むことが恒常化し、かつては赤字すれすれだった業績も、今ではトヨタ系列のディーラーでトップクラスになったことを明かした。「部活感覚で楽しんで仕事をする社員ばかり」という言葉に会場から羨望の声が漏れた。

 最後のセッションは柴田氏、影井氏、毛利氏によるパネルディスカッション(写真3)。会場から質問を募ったところ、次々と手が上がった。「オフサイトミーティングをやってみたいが、仕切りができるか不安」「役員のコミュニケーションにオフサイトを活用する際のポイントは」「オフサイトによって短期間で成果を出すにはどうすればよいか」といった具体的、かつ切実な質問に3氏が丁寧に答えた。終了後も大勢の来場者が3氏に名刺交換を求め、熱気がいつまでも続いた。