米Yahoo!は、同社サービスのログインプロセスから米Facebookおよび米Googleのアカウントを段階的に排除する方針だ。英ReutersやIT情報サイト「BetaNews」をはじめ、複数の海外メディアが現地時間2014年3月4日に報じた。Yahoo!サービスにログインするには、Yahoo! IDを登録しなければならなくなる。

 Yahoo!の広報担当者から得た情報によると、すでに3月3日より「Yahoo! Sports」の大学バスケットボール関連情報サイト「Tourney Pick'Em」で新たな方針に従った変更が実施されている。近いうちに画像共有サイト「Flickr」とYahoo! Sports内のファンサイト「Fantasy Sports」でも同様に変更する予定という。

 Yahoo!は2012年にMarissa Mayer氏が最高経営責任者(CEO)に就任して以来、積極的にサービスのリニューアルや事業買収を行い、よりいっそうのパーソナル化を押し進めている。ログインプロセスの変更は、「最良のパーソナルな体験をすべてのユーザーに提供するため」としている。

 FacebookおよびGoogleアカウントとの連動は、2010年~2011年に当時のCarol Bartz CEOのもとで実施された戦略だった。

 現在各Yahoo!サービスで提供している、FacebookおよびGoogleアカウントでログインする手段へのリンクは、段階的に削除される。最終的なめどについては明らかにしていない。

 Yahoo! IDを登録すれば、ユーザーはまた別のYahoo!サービスを利用する可能性が高く、そうなるとユーザー行動の追跡が可能になり、よりパーソナルな体験を提供できるとYahoo!は考えている。しかしどれくらいのユーザーが新たにYahoo! IDを必要としているか、米Vergeは懐疑的だ。

 Mayer CEOはセキュリティの向上とサービス提供の高速化にもつながると主張しており、米Wall Street Journalは、ユーザー行動の追跡が可能になることでYahoo!がよりターゲットを絞った広告を販売できる点も強調してる。