セゾン情報システムズは2014年3月5日、複数システム間のデータ転送状況をハブ&スポーク型で一元管理するソフトの新版「HULFT-HUB Ver.3.3.0」を発表、同日販売を開始した。新版では、データ転送トランザクションの処理能力を、前版と比較して最大で13倍に高速化した。

 HULFT-HUBは、データ転送ミドルウエア「HULFT」の一つで、中心に置いたハブからスポークを星状に伸ばした接続形態であるハブ&スポーク型のアーキテクチャーに特徴がある。複数のシステム同士が通信する際に、必ず中央のハブ(HULFT-HUB)を代理サーバーとして経由するアーキテクチャーとなる。これにより、システムのデータ転送状況を一括して把握、制御できる。

 データの転送方法として、送信側システムから受信側システムに対してリアルタイムに中継する方法のほかに、送信側システムからのデータを一度キューに蓄積してから非同期で受信側システムに送出する方法がとれる。送信側システムは、受信側システムにデータを転送し終わるのを待つことなく、HULFT-HUBへのデータ転送が完了した時点で、転送処理から開放される。

排他制御を改善してトランザクション処理能力を最大13倍に向上

 今回の新版では、データ転送トランザクションの処理能力を大幅に改善した。従来は、書き込みトランザクションごとにロック/アンロックの排他制御をかけていた。これを改め、複数件のトランザクションをまとめて排他制御をかけるようにした。これにより、同社の検証によると、トランザクション処理件数ベースで最大で13倍高速化した。

 実行できたトランザクション処理件数を前版と比較した具体例は、以下の通り。(1)受信側システムに転送できない状況下で、転送不能かどうかを調べる処理の件数は1.8倍になった。(2)転送と蓄積(キューイング)を同時に処理した場合の処理件数は1.7倍になった。(3)蓄積してから送出した場合の処理件数は13.0倍になった。(4)蓄積のみの処理件数は9.4倍になった。

 HULFT-HUBの価格(税別)は、ハブとなるデータ転送サーバーソフトのHULFT-HUB Serverと、管理コンソールとなるHULFT-HUB Managerの最小構成で、34万5000円。稼働OSは、Linux、各種UNIX、Windows。販売目標は、2014年単年で、関連サービス込みで3億円。