写真●花王マーケティング開発センターデジタルビジネスマネジメント室の永良裕室長(写真撮影:井上裕康)
写真●花王マーケティング開発センターデジタルビジネスマネジメント室の永良裕室長(写真撮影:井上裕康)
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 「データ分析のゴールは、未来を変えることだ。具体的には、過去のデータを踏まえて未来がどうなるのかを予測したり、未来を変えるための意思決定に役立つ結果を出したりすること。すごいデータサイエンティストは分析で世界を変えられる人材だ」──。

 2014年3月4日、東京で開催されている「データサイエンティスト・ジャパン 2014」で、花王のデータサイエンティストとして、マーケティング開発センターデジタルビジネスマネジメント室の永良裕室長が登壇(写真)。データ分析官の経験を踏まえて、データサイエンティストのミッションについてこのような見解を示した。

 永良室長は大学で情報工学を専攻した後、花王に入社。研究所で受注生産プロセスの開発に携わったのち、ロジスティック部門に異動。そこでサプライチェーンマネジメント(SCM)関連業務で、在庫削減を目指した予測ロジックの開発を担当した。

 その後、2004年からデータ分析を専門に行うデジタルビジネスマネジメントを担う組織に移り現在に至る。マーケティング施策の投資効率の分析や製品ファンの分析などに携わってきた。

 永良室長は講演で「分析結果を意思決定に役立てるためには、分析目的を明確にしたうえで、解くべき問いを設定することが重要だ」と強調した。

 そう強調するのは、製品のファン分析で苦い経験があったからだという。その分析では、花王製品をたくさん買っている顧客をファンと設定し、共通して購入している製品が何かを探ることを解くべき問いにした。