Analogix Semiconductorは2014年2月24日から27日まで、スペイン・バルセロナで開催された「Mobile World Congress 2014」(MWC2014)にブースを出展し、スマートフォンやタブレット向けの外部ディスプレイ出力機能「SlimPort」のデモを展示した(写真1)。

写真1●MWC2014のAnalogix Semiconductorブース
写真1●MWC2014のAnalogix Semiconductorブース
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 SlimPortは、スマートフォンやタブレットのmicroUSBポートに専用の変換アダプタを接続することで、HDMIやDisplayPortなどに対応したケーブルを利用して外部ディスプレイへの出力を可能とする技術。MHL(Mobile High-Definition Link)と似ているが、互換性のない別の技術となる。

 2014年1月のCES2014では、SlimPortによる4K出力に対応した世界初のスマートフォン「Nubia 5S」を中国ZTEが発表していた。MWC2014のブースでは、ZTE Nubia 5Sと4K出力に対応した「SlimPort-4K」アダプターを利用し、4K対応テレビにHDMIケーブルで接続。Androidスマートフォンから4Kテレビに外部出力するデモを行った(写真2写真3)。なお、従来のSlimPortアダプターは最大1080pまでの対応となり、4Kには非対応となる。

写真2●SlimPort-4Kによる4K出力のデモ
写真2●SlimPort-4Kによる4K出力のデモ
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写真3●世界初のSlimPort-4K対応スマートフォン「ZTE Nubia 5S」
写真3●世界初のSlimPort-4K対応スマートフォン「ZTE Nubia 5S」
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 SlimPortアダプターはmicroUSBポートを利用するが、アダプター自体にもmicroUSBポートを備えており、外部出力中でもスマートフォン本体を充電できる。ブース担当者は「バッテリー駆動中のスマートフォンでも4K出力はできるが、長時間利用する際にはSlimPort-4Kアダプタからスマートフォンを充電することを推奨する」と説明する。

 Analogix社はSlimPort-4K対応のトランスミッター「ANX7816」をシングルチップで提供しており、薄型化が進むスマートフォンでも搭載しやすいという。今後の展開については「富士通のArrows Tabに代表されるように、日本市場はSlimPortにとって重要なマーケット。さらに対応機器を拡大していきたい」(ブース担当者)と展望を語った。