まだ日本ではあまり目立たないものの、モバイル市場で世界的に勢力を急拡大しているのが中国のメーカーだ。Mobile World Congress 2014(以下、MWC)では、勢いに乗る多くの中国メーカーが大小さまざまなブースを構え、スマートフォンやタブレットを中心に活発な展示を行っている。

ファーウェイやZTEなど勢いのある中国メーカーが参加

 スマートフォンは、世界的に先進国の需要が一巡して落ち着き、数量が売れる市場の中心が新興国に移ったことで、売れ筋も従来のハイエンドモデルから、より低価格なミドル・ローエンドモデルへと移っている。そうした市場変化の中、急速に存在感を高めているのが、自国内に非常に大きな市場を擁し、しかも生産コスト面で強みを持つ中国メーカーだ。

 こうした中国メーカーの勢いを象徴しているのが、今年の1月末にレノボが米グーグルから、同社の携帯電話部門であるモトローラを買収したこと。モトローラは携帯電話の老舗企業として知られてきたが、そのモトローラをレノボが買収し、市場シェア拡大に向けた動きを進めているというのは、今の中国メーカーがいかに大きな勢いを持っているかがよく分かる証しといえる。

 今年のMWCでも、中国メーカーの勢いは明確に見て取ることができる。レノボのほかにも、日本ではモバイルWi-Fiルーターや子供向け携帯電話などで知られる、ファーウェイやZTEなどの中国メーカーが会場内に大きなブースを構え、新しいスマートフォンやタブレットなどを展示しているからだ。

 ファーウェイ(華為)はMWC開催に先駆けて発表した、239gの軽量7インチタブレット「MediaPad X1」や、LTE対応の薄型スマートフォン「Ascend G6 4G」などの最新機種を筆頭に、機能やデザインに特徴を持つ、さまざまなスマートフォンやタブレットを展示。特に最近では、海外のキャリアもLTEを導入する動きが進んでいることから、MWC2014ではLTE対応端末の展示に注力している。

ファーウェイの展示ブース。239gもの軽さを実現したタブレット「MediaPad X1」や、通話もできるウェアラブルデバイス「TalkBand B1」など、幅広い機器を揃えていた
ファーウェイの展示ブース。239gもの軽さを実現したタブレット「MediaPad X1」や、通話もできるウェアラブルデバイス「TalkBand B1」など、幅広い機器を揃えていた
ファーウェイの展示ブース。239gもの軽さを実現したタブレット「MediaPad X1」や、通話もできるウェアラブルデバイス「TalkBand B1」など、幅広い機器を揃えていた
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