写真●NEC 事業イノベーション戦略本部 ビッグデータ戦略室の若目田光生 室長<br>(写真:皆木 優子)
写真●NEC 事業イノベーション戦略本部 ビッグデータ戦略室の若目田光生 室長<br>(写真:皆木 優子)
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 NEC 事業イノベーション戦略本部 ビッグデータ戦略室の若目田光生 室長は2014年2月27日、東京・紀尾井町のホテルニューオータニで開催中の「Cloud Days Tokyo/ビッグデータEXPO/スマートフォン&タブレット/Security」において、「当社の『異種混合学習技術』を使うことで、データ分析の専門家がいなくても高精度の需要予測が可能になる」と語った(写真)。「ビッグデータで社会価値創造を―先進事例から学ぶ新たな価値の見つけ方」と題した講演での発言である。

 異種混合学習技術とは、多種多様なデータから規則性を見つけ出すNEC独自のアルゴリズム技術。商品の需要予測システムに応用しやすい。過去の販売実績データ、店舗の立地、気象といった異なる種類のデータを混合して学習し、見つけ出した規則性から需要予測の計算式を多数生成。それらの計算式から、その時々の条件に最も近い式を選び出すといった具合である。このような計算式は、従来であればデータ分析の専門家が仮説と試行錯誤を繰り返して作成するのが一般的だったという。

 既にNECは、異種混合学習技術の実証実験にも積極的に取り組んでいる。若目田氏がその例として紹介したのは、大林組とNECが共同で2013年に実施した電力需要予測の研究である。大林組が保有する過去2年間の毎日の電力使用量や空調に用いた熱量、気象、営業日の日数などのデータを分析。十分な精度で電力需要を予測できたと話す。

 若目田氏は異種混合学習技術のほかにも、テキスト情報全体を捉えて意味を理解する「テキスト含意認識」など、ビッグデータ分析に役立つ自社技術を解説。これらの技術を駆使してビッグデータを分析し、その結果を踏まえて施策を打ち出すことで、社会価値を創造できるとした。その例として防災、犯罪対策、製造業の大規模プラントにおける故障の予兆監視などを挙げた。