写真1●設営作業をしている車載型の移動式基地局
写真1●設営作業をしている車載型の移動式基地局
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写真2●第2世代となる気球型の基地局
写真2●第2世代となる気球型の基地局
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 ソフトバンクモバイル、イー・アクセス、ウィルコムの3社は2014年2月27日、大地震など大規模災害を想定した共同訓練を都内で実施した。大地震後に一部基地局で被災による障害が発生し、車載型の移動式基地局などを現地に向かわせて代替させるというシナリオを実演した。

 車載型の移動式基地局は、商用車やワンボックスカーなどの乗用車に基地局設備とパラボラアンテナなど衛星通信設備を搭載したもの(写真1)。通信衛星回線を使って基地局と交換局を結ぶ有線回線を代替させ、さらに伸縮式の棒に取り付けたアンテナ設備が端末と通信する役割を担う。

 ソフトバンクモバイルでは、以前は車載型の移動式基地局を15台しか保有していなかったが、2011年の東日本大震災後に100台に増強。さらに現地に運搬して地面に直置きして設営する可搬型の基地局も100台準備した。今日の訓練では、これらの基地局を搭載した車両や可搬型の設備を東京都江東区の「東京臨海広域防災公園」に持ち込み、実際に設営、稼働させた。

 独自に開発した気球型の移動式基地局も設営、稼働させた(写真2)。昨年開発した第2世代の設備で、パラボラアンテナなど衛星通信設備を地上に設営すると、空に浮かせた気球基地局をそのまま携帯電話網に接続する構成を取れる。従来の第1世代は、被災した基地局から有線回線をつなぎ替えて利用するなど、既存の基地局を代替する用途にしか使えなかったという(関連記事:ソフトバンクが気球活用の無線中継局)。