写真●米ヴイエムウェア社長兼最高執行責任者(COO)のカール・エッシェンバック氏(写真:井上 裕康)
写真●米ヴイエムウェア社長兼最高執行責任者(COO)のカール・エッシェンバック氏(写真:井上 裕康)
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 米ヴイエムウェア社長兼最高執行責任者(COO)のカール・エッシェンバック氏は2014年2月27日、「Cloud Days Tokyo/ビッグデータEXPO/スマートフォン&タブレット/Security」で、モバイル・クラウド時代における企業ITとビジネスの変革について講演を行った(写真)。

 エッシェンバック氏はまず、企業が直面している課題について、「モバイル・クラウドの時代に向け、新しいサービスを提供する必要があるが、多くの企業ではIT部門の予算が増加していないという現実がある」と説明。一方で、「これは大きなチャンスでもある。仮想化技術を活用すれば構造改革を実現でき、IT部門はよりよい仕事ができる」と述べた。

 続けて「抜本的な構造改革のためには、従来データセンターで行われてきた慣行を見直さなければならない」とエッシェンバック氏は述べ、さらに、「クラウドでもサイロ化が進んでいる」と指摘。サイロ化したハードウエアおよびソフトウエアの構成を、分解する必要があるとした。

 変革を推進するには、ITリソースを自由に利用できることが重要になる。そうした環境にない多くの企業では、システムのメンテナンスにIT予算が割かれている。ガードナーが2013年に公表した調査結果によると、業界平均でIT予算の7割がシステムのメンテナンスに使われているという。つまり、IT予算の3割しかシステムの革新に投資されていないことになる。

 エッシェンバック氏は、「これでは競争力を維持できない」と指摘。ヴイエムウェアの顧客は、IT予算の6割をメンテナンスに、4割を革新的な取り組みに投資できているとした。さらに「顧客の3分の1は、IT予算の5割を革新へ投資している」と述べた。

 また、将来のあるべき姿として、エッシェンバック氏は「Software-Defined Data Center」を掲げた。これはコンピューティング(サーバー)だけでなく、ネットワーク、ストレージも対象に、仮想化をデータセンター全体に適用すること。すなわち、データセンターを構成するあらゆる要素がソフトウエアで定義された世界を意味する。