写真1●デル、エンタープライズ・ソリューション統括本部、エンタープライズ開発部、部長の馬場健太郎氏
写真1●デル、エンタープライズ・ソリューション統括本部、エンタープライズ開発部、部長の馬場健太郎氏
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写真2●GPUベンチマークソフトの実行画面をシンクライアント(Citrix ICA/HDX)で表示している様子
写真2●GPUベンチマークソフトの実行画面をシンクライアント(Citrix ICA/HDX)で表示している様子
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 デルは2014年2月27日、GPU(グラフィックス処理ユニット)を利用したアプリケーションシステムの動作や性能を検証するための施設「デルGPUソリューションラボ」を、2月28日付で東日本支社(東京・港)内に設立すると発表した(写真1)。

 設備は1ラックと小規模だが、GPUを搭載したPCサーバーを自由に利用できる環境を用意した。さらに、ユーザー企業先に1カ月間貸し出すための検証機材(現在は15セット)も用意した。

 デルGPUソリューションラボは、アプリケーションを自由に持ち込んで検証できるGPU検証設備。2013年11月から試験的に運用を始めており、現在製造業者を中心に、1週間当たり2~3社のユーザー企業が検証設備を利用している(利用時間は1回当たり半日程度)。貸し出し用の検証機材15セットも、常時貸し出されている状態という。

CADワークステーションの仮想化がGPUを後押し

 想定するGPUの用途は大きく二つある。一つは、3次元グラフックス描画(OpenGLなど)を利用するCAD(コンピュータを利用したデザイン、製図)ワークステーションの用途である。特に、CADワークステーションをデータセンターに集約して仮想サーバー上で動作させ、グラフィックス処理能力が低いシンクライアントを介してリモート操作する、“グラフィックス仮想化”の機運が高まっているという(写真2)。

 もう一つの用途は、流体解析などを実行するCAE(コンピュータを利用した解析)アプリケーションや、HPC(ハイパフォーマンスコンピューティング)の用途。本来は3次元グラフィックス処理を主目的として作られたGPUを、汎用的な浮動小数点演算に利用する、GPGPUの使い方となる。自社開発アプリケーションのほか、演算にGPUを利用するタイプのCAE市販パッケージなどがある。

 デルでは、検証設備の設立に合わせて、GPUを搭載したVDI(デスクトップ仮想化基盤)用のサーバーハードウエアを用意している。これは、PCサーバー「PowerEdge R720」にGPU「NVIDIA GRID K1」または「同K2」を搭載し、VDIの用途に合わせて設定したもの。価格(税別)は、ローエンドのGRID K1搭載機(メインメモリー128Gバイト)が188万円、ハイエンドのGRID K2搭載機(メインメモリー64Gバイト)が198万円。