米IDCが現地時間2014年2月26日に公表した世界のスマートフォン市場に関する調査によると、2014年の年間出荷台数は12億400万台となり、前年比伸び率は19.3%にとどまる見通し。2013年の世界スマートフォン出荷台数は前年比39.2%増で、初めて10億台の大台を突破した。だが成熟市場はすでに飽和状態に近づきつつあり、成長率は今後大きく減速する。多くの新興国市場では依然高い成長が見込めるものの、世界全体ではかつてのような急成長は見込めないという。

 同社の推計によると、北米や欧州などの成熟市場の出荷台数伸び率は今後1桁台にとどまる。また日本では小幅に減少するという。IDCのディレクター Ryan Reith氏は、「伸び率がかつてないほどに低下するだけでなく、普及を後押しする原動力が変化している」と述べている。「高級端末が市場成長をけん引するというこれまでのルールが通用しない新興国市場が、世界に大きく影響を及ぼしていく」としている。

 2014年における出荷台数推計をOS別に見ると、「Android」が9億5050万台で最も多く、市場シェアは78.9%。この後「iOS」 の1億7990万台(市場シェアは14.9%)、Windows Phoneの4700万台(同3.9%)、「BlackBerry」の1190万台(同1.0%)と続くという。

 また2018年までの年平均成長率は、Androidが10.7%、iOSが10.2%。これに対しWindows Phoneは29.5%と高い伸びで推移する。一方でBlackBerryは22.6%減少すると予測している。

 IDCによると、成熟市場の成長鈍化に伴い、メーカー各社は新たな市場に活路を見いだすようになる。その結果、販売価格が低下していくという。2013年は150ドル未満の端末の出荷台数が3億2250万台に達したが、こうした低価格端末は今後も増え続ける。昨年335ドルだった世界の平均販売価格は2018年に260ドルにまで下がると同社は予測している。
 
[IDCの発表資料]