写真●ヴイエムウェアの奥野木敦コマーシャルSE部 部長(写真:井上 裕康)
写真●ヴイエムウェアの奥野木敦コマーシャルSE部 部長(写真:井上 裕康)
[画像のクリックで拡大表示]

 「サーバー仮想化を導入したものの、安定稼働が難しい、コスト効率が上がらないといった課題に直面するユーザーは少なくない。これらの課題を解決するためには、運用の自動化が有効だ」。

 東京都内で開催中の「Cloud Days Tokyo/ビッグデータEXPO/スマートフォン&タブレット/Security」でヴイエムウェアの奥野木敦コマーシャルSE部 部長は、仮想化運用のポイントなどについて解説した。

 奥野木氏はユーザーから寄せられるサーバー仮想化の課題として、「安定稼働ができない」「コスト効率が上がらない」「担当者のスキルレベルによってトラブル対応の時間に差がある」などを挙げた。これらの課題を解決するのであれば、システム管理者が手動で設定を変更したりするよりも、運用管理を自動化するツールを導入した方が効率的だというのが、奥野木氏の主張だ。

 例えば、サーバー仮想化の安定稼働が難しくなる原因として、特定の物理サーバーに負荷が偏るといったものがある。この場合は「vSphere Distributed Resource Scheduler(DRS)」を使うのが効率的だという。「vSphere DRSは、物理サーバーの負荷が上昇したときに『ライブマイグレーション』を自動的に行い、仮想サーバーを負荷が高い物理サーバーから低い物理サーバーへと移してくれるからだ」(奥野木氏)。

 サーバー仮想化のコスト効率を上げる際にも、vSphere DRSが有効だという。物理サーバーにおける稼働率を平準化することで、負荷が極端に低い物理サーバーが無くなる。

 コスト効率を上げたり、担当者のスキルレベルによらない安定的な運用管理を実現するには、サーバーの監視などを自動化する「vCenter Operations Manager」が有効だと訴える。vCenter Operations Managerは、仮想サーバーなどの利用状況などをソフトが学習して、パフォーマンスや障害を監視する上での「しきい値」を自動的に決定してくれるソフトだ。仮想サーバーの稼働率が低い場合は、「『このインスタンスは仮想プロセッサの数を減らしても大丈夫』といった助言をソフトがしてくれる」(奥野木氏)という。

 「運用自動化ツールというと、『敷居が高い』『複雑過ぎる』といった不安を感じるユーザーは多いが、実際にはそうではない」と奥野木氏は主張する。同社は2014年中にも日本で、パブリッククラウドのサービスである「VMware vCloud Hybrid Service」を提供する予定だ。同サービスは既に米国で提供を開始しており、サービスの内部では実際にこれらの運用自動化ツールが活用されている。これらを通じて奥野木氏は、運用自動化ツールの実績をアピールした。