写真1●「Yahoo!トラベル」のリニューアル伴う変更の概念図。宿泊施設との直接契約を新たに始める
写真1●「Yahoo!トラベル」のリニューアル伴う変更の概念図。宿泊施設との直接契約を新たに始める
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 ヤフー(Yahoo! JAPAN)は2014年2月26日、宿泊施設と直接契約する形でのインターネット宿泊予約の直販事業を始めると発表した。同日から専用Webサイトで宿泊施設からの申し込み受付を開始し、夏をメドに既存の「Yahoo!トラベル」を全面刷新する形で利用者から宿泊予約受付を始める。

 ヤフーはこれまでも「Yahoo!トラベル」を運営してきた。だが「たびゲーター」「じゃらんnet」など他のネット予約サービスの窓口として利用者を送客して手数料収入を得る機能に特化していた。今後、窓口機能は続ける一方で、独自に宿泊施設との契約を進め、段階的に“直販”比率を増やす(写真1)。中長期的に、宿泊施設2~3万軒との直接契約を目指す。

ヤフーの手数料収入は実質ゼロに

 宿泊施設が支払う手数料率は5.3%と格安に設定した。このうち、5%は「Tポイント」として利用者に還元される。0.3%は「ポイント手数料」としてヤフーが徴収するが、多くはTポイントの運営母体であるカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)に支払われるため、ヤフーの取り分はほぼゼロになる。

 これまでの「Yahoo!トラベル」を窓口として利用してきたネット旅行業者が離反したり、利用者が直販予約に流れたりすることが予想され、短期的には減収要因になる。ヤフーはリニューアル後の「Yahoo!トラベル」のアクセス数を増やし、航空・鉄道など旅行関連サービスの広告出稿が増えることによる収益増で減収分を補うことを目論んでいる。