写真●SAPジャパン ソリューション&イノベーション事業統括本部 インダストリーバリューエンジニアリング シニアダイレクターの大西嘉明氏<br>(写真:井上 裕康)
写真●SAPジャパン ソリューション&イノベーション事業統括本部 インダストリーバリューエンジニアリング シニアダイレクターの大西嘉明氏<br>(写真:井上 裕康)
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 「スポーツビジネスにおけるビッグデータ活用例は、他のビジネスのヒントになる」――。

 SAPジャパンのソリューション&イノベーション事業統括本部インダストリーバリューエンジニアリングでシニアダイレクターを務める大西嘉明氏は2014年2月26日、IT展示会「Cloud Days Tokyo/ビッグデータEXPO/スマートフォン&タブレット/Security」に登壇(写真)。「スポーツビジネスから学ぶビッグデータ活用術」と題して講演し、サッカーのドイツ1部リーグ・ブンデスリーガや米プロフットボールのNFL、フォーミュラ・ワン(F1)におけるビッグデータ活用事例を解説した。

 大西氏は冒頭で、スポーツビジネスにおける課題を提示した。「チームを運営する企業やイベント会社は収益の最大化を目的とし、監督などチームの関係者はパフォーマンスの向上を目指す。一方でファンは感動体験を見せてもらいたいと思っている」。これらの課題を解消するにはビッグデータを活用すべきだと指摘し、具体的な事例を三つ紹介した。

 最初に紹介したのが、ブンデスリーガの「TSG1899ホッフェンハイム」のトレーニング改良事例だ。

 ホッフェンハイムでは、選手ごとの体重や身長、100メートル走のタイムなどのデータを日常の練習結果などと組み合わせ、個別のトレーニングメニューを策定している。そこに付け加えたのが、「選手の両足とサッカーボールに装着したセンサーから得られるデータ」(大西氏)だ。練習グラウンド上に設置した機器を使って選手ごとのパス回数やドリブル時間などを収集し、コーチが持つタブレットに転送。コーチが瞬時に分析して、選手に指示を出しているという。ビッグデータを活用することで、「実際のフィールドで今、何が起きているか」を的確に把握できるようになったと大西氏は指摘した。