写真●HOYAの近安理夫グループ情報システム統括責任者<br>(写真:井上 裕康)
写真●HOYAの近安理夫グループ情報システム統括責任者<br>(写真:井上 裕康)
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 「クラウドに移行しただけではコストは下がらない」――。日経BP社が2014年2月26日から開催している「Cloud Days Tokyo/ビッグデータEXPO/スマートフォン&タブレット/Security」の基調講演で、HOYAの近安理夫グループ情報システム統括責任者は見解を述べた(写真)。

 近安グループ情報システム統括責任者は、同社がグローバルで取り組むITガバナンス強化施策を、「多事業・グローバル企業におけるIT統合―クラウド技術の活用の実際」と題して紹介。クラウド環境にシステム統合する際の、効果と課題を説明した。

 HOYAは大きく二つの事業を手掛けている。レンズガラスなどのライフケア事業と、半導体製造に使用する部品・部材などを扱う情報・通信事業だ。近安グループ情報システム統括責任者は、同社の事業戦略を「ボリュームは追わない。小規模なマーケットでも、グローバルで高いシェアを獲得することを目指している」と説明する。そうすることで、利益率24.0%という高い収益性を実現しているという。

 グローバルでの高いシェアを実現するため、同社は国境を越えた最適地に拠点を設ける。CEOオフィスは2年前にシンガポールに移し、財務はオランダ、主力事業であるメガネレンズはタイに本部を構えるといった具合だ。「コントロール機能とR&D以外は、ほぼ海外にある」(近安グループ情報システム統括責任者)。

 約3700億円の連結売上高のうち、海外6割強を海外が占め、3万5000人いる従業員も日本国内で働くのはわずか3600人。約9割は海外の生産拠点などに所属している。