米Microsoftで、ハードウエア事業の責任者を務めているJulie Larson-Green氏がまもなく異動になると複数の海外メディア(米Wall Street Journal米InfoWorld英The Registerなど)が現地時間2014年2月25日までに報じた。

 Microsoftでは、フィンランドNokiaの携帯電話事業の買収手続きが数週間以内に完了する見込み。これと同時に、Microsoft出身で、Nokiaの前最高経営責任者(CEO)、Stephen Elop氏がMicrosoftに戻り、ハードウエア事業のトップに就任する。Larson-Green氏の人事異動はこれに伴うものと海外メディアは伝えている。

 報道によるとLarson-Green氏の新たな役職はチーフ・エクスペリエンス・オフィサー(CXO)。配属される部署は「アプリケーションおよびサービス」部門の「My Life & Work」というチーム。Larson-Green氏は、同部門の責任者であるQi Lu氏の直属となるため、この人事異動は事実上の降格とWall Street Journalは伝えている。

 Microsoftは昨年7月にSteve Ballmer前CEOが掲げたスローガン「1つのMicrosoft」の下、組織再編を行い4つのエンジニアリング部門を設置した。そのうちの1つ「デバイスおよびスタジオ」部門にLarson-Green氏を任命し、同氏をエグゼクティブ・バイスプレジデントに昇格させた。なおこのとき同時に設置した「クラウドおよびエンタープライズ」部門の責任者には現CEOのSatya Nadella氏が就任。このとき、これらを含めた4つのエンジニアリング部門はCEOの直属となった(関連記事:Microsoft、大規模な組織再編を発表、「製品別」から「機能別」の組織体制に)。

 Microsoftではその後、Nokiaの携帯電話事業の買収を決め、Ballmer前CEOがElop氏のMicrosoftへの復帰を約束した。なおLarson-Green氏が去り、Elop氏が着任する予定のデバイスおよびスタジオ部門は、SurfaceやXboxのほか、ゲーム開発を手がけている。今後はこれらに携帯電話事業が加わり、同部門は規模が拡大するとInfoWorldは伝えている。

 一方で、Larson-Green氏が新たに担当する部門はOfficeやBing、OneDrive、Outlook.com、Skypeなどを手がけている。同氏は今後、異なるデバイス間でユーザーエクスペリエンスの一貫性を保つ職務に就くという。