写真1●「Power To Give」のイメージ図
写真1●「Power To Give」のイメージ図
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写真2●発表会で登壇したピーター・チョウCEO
写真2●発表会で登壇したピーター・チョウCEO
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写真3●5.5型液晶を搭載した「Desire 816」
写真3●5.5型液晶を搭載した「Desire 816」
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 台湾HTCは2014年2月24日、ネット越しに充電中のスマートフォンの処理能力を提供し、科学技術の研究に役立てる技術「Power To Give」を発表した(写真1)。モバイル展示会「Mobile World Congress 2014」が開催されているスペインのバルセロナで発表会を開催した。大量のスマートフォンが接続することで、スーパーコンピューター並みの処理能力になるという。医療分野などの研究に活用する。

 コンセプトは、パソコンの処理能力を集約して地球外生命体の検索に生かすプロジェクト「SETI@home」に近い。スマートフォンに専用アプリケーションをインストールし、充電器につなぐと無線LAN経由で処理能力を提供できる。Power To Giveで集約した処理能力は、がん、AIDS、アルツハイマー病など医療分野の研究のほか、地球外生命体の検索などにも利用する。

 アプリケーションは「Google Play」で入手できる。当面はHTC製品のみの対応とするが、将来的には他社のAndroidスマートフォンでも利用できるようにする予定。

 発表会においてピーター・チョウCEOは、市場で高い評価を受けたスマートフォン「HTC One」を例に挙げながら、スマートフォンを開発する上ではデザイン性の高さを重視していると説明(写真2)。「美しさと機能が融合して、初めて、驚きや興奮を提供できる」(チョウCEO)と話した。そうした開発方針による新製品として、ミドルレンジの価格帯と位置付ける5.5型液晶を搭載した「Desire 816」も発表した(写真3)。Desire 816は3月から中国、4月以降にそのほかの国で発売する。