米Amazon.comが映像配信サービス用のセットトップボックス(STB)を3月に発売する計画だと複数の米メディア(Ars TechnicaThe Mac Observerなど)が現地時間2014年2月21日に、米Re/codeの記事を引用して伝えた。

 Amazon.comは現在ビデオ配信サービス「Amazon Instant Video」を提供しており、同サービスはパソコン、タブレット端末「Kindle Fire」シリーズ、iOS向けアプリケーション、「Xbox 360」などのゲーム機、他社製STBやテレビなどで利用できる。だがAmazon.comは、米Appleの「Apple TV」や米Rokuのように自社専用端末を用意し、顧客により手軽にビデオ配信サービスを利用してもらいたい考えという。

 Amazon.comのSTBをめぐっては、かねてから開発中との噂があった。Amazon.comは2013年に、クリスマス時期の市場投入を目指しSTBの開発を続けていたが、製品の出来栄えに満足しなかった同社の幹部が発売の延期を決めていた。

 Re/codeによると、Amazon.comのSTBではAppleやRokuの製品のように、自社のコンテンツのほか、アプリケーションを通じて他社製コンテンツも提供される可能性がある。搭載OSはKindle Fireと同様にAndroidがベースになるという。またAmazon.comは先ごろ、ビデオゲーム開発会社を買収しており、Android搭載のゲームコンソールを開発しているとも伝えられている(関連記事:Amazon、ビデオゲーム開発の「Double Helix Games」を買収、米メディア報道)。

 なおAmazon.comは同日、同社が2011年に買収した欧州の映画ネット配信サービス「LOVEFiLM」と、商品配送優遇プログラム「Amazon Prime」を英国で統合すると発表した。これにより英国のAmazon Prime会員は今後、約1万5000本の映画/テレビ番組を追加料金なしで視聴できる特典「Prime Instant Video」などが受けられるようになる。これに伴いこれまで49ポンド(約8400円)だった英国におけるAmazon Primeの年間料金は、79ポンド(約1万3500円)になる(関連記事:Amazon、欧州の映画ネット配信会社「LOVEFiLM」を買収へ)。

[Amazon.co.ukの発表資料]