講演するSPPテクノロジーズ エグゼキュティブシニアアドバイザー戦略会議議長の神永氏
講演するSPPテクノロジーズ エグゼキュティブシニアアドバイザー戦略会議議長の神永氏
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 「爆発的な勢いで増えていくセンサーの活用を考える『センサノミクス』を進めていこう」。

 住友精密工業の前社長で、MEMSの製造技術を手掛けるSPPテクノロジーズのエグゼキュティブシニアアドバイザー戦略会議議長を務める神永晉氏は、2014年2月21日に開催された「Trillion Sensors Summit Japan 2014」の「Trillion Sensorsの実現に向けての日本の技術と応用~高齢社会、老朽インフラ、持続する環境~」と題した講演で、こう参加者を鼓舞した。

 センサノミクスは、安倍首相が掲げる「3本の矢」による成長戦略、いわゆる「アベノミクス」をもじった言葉だ。「日本には、既に多くのセンサー関連技術があり、センサー技術の活用は政府の成長戦略にもマッチしている。前に進んでいくための“燃料”はたくさんある」と指摘した。老朽インフラの課題や、2020年に3600万人に達する高齢者(65歳以上)の予防医療など、政府が進める成長戦略が今後、センサーの需要をけん引していくとの見方を神永氏は示した。

 「今年は、社会インフラ・モニタリングの元年と言われている。政府のバックアップの下に活動が進んでいるところだ。3600万人の高齢者が毎日さまざまなセンサーを使う環境が生まれれば、年間で10億個のセンサーが使われるようになる計算になる」(同氏)。こうした環境の実現には、「センサーの加工技術」や「デバイスの開発・製造」「システム開発」など、各領域をつなぎ合わせる協業がカギとなると神永氏は話した。