写真1 電子情報技術産業協会(JEITA)パーソナルコンピュータ事業委員会の加茂朗委員長
写真1 電子情報技術産業協会(JEITA)パーソナルコンピュータ事業委員会の加茂朗委員長
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写真2 JEITA バッテリ動作時間測定法 Ver.2.0の主な改訂内容
写真2 JEITA バッテリ動作時間測定法 Ver.2.0の主な改訂内容
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 一般社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)は2014年2月20日、ノートパソコンのバッテリー駆動時間の測定法を改訂すると発表した。新版では、測定時のパソコン環境の条件が大きく変わる。「機種によって異なるが、これまでの測定法によるバッテリー駆動時間は、改訂後の測定法では7~8割程度に短くなる」(JEITAパーソナルコンピュータ事業委員会の加茂朗委員長)とみられる(写真1)。

 改訂されるのは、「JEITA バッテリ動作時間測定法」。バッテリー駆動時間を計測する際のパソコンの環境設定や使用する動画ファイル、測定方法などを詳細に定めたガイドラインである。

 2001年8月に施行されたVer.1.0は、ノートパソコンのバッテリー駆動時間の目安として、主要なメーカーが現在も採用している。カタログなどで記載されているバッテリー駆動時間は、このJEITA測定法で計測されたものが多い。

 ただし、パソコンの利用環境や使用する技術が様変わりしたことで、バッテリー駆動時間のカタログ値が実態に合わないケースも散見された。このためJEITAは測定法を見直し、約12年ぶりに改訂する。

 主な変更点は、画面の輝度を150カンデラ/平方メートル以上にすること、無線LANでネットに接続した状態にすること、フルハイビジョンの再生映像をフルスクリーン表示すること、などだ(写真2)。

 これまでのVer.1.0では、画面輝度は20カンデラ/平方メートル、無線LANは考慮されておらず、動画の表示サイズは320×240ドットだった。2.0の詳細な内容や測定時に使用する動画は、JEITAが2月21日以降にWebサイトで公開する(掲載予定のWebサイト)。

 Ver.2.0は1.0と比べて多く電力を消費する条件であるため、バッテリー駆動時間は短くなる。2.0が施行される4月1日以降は、仕様がほとんど同じでも、新製品が旧製品よりもバッテリー駆動時間が短いというケースが出てくる可能性が高く、わかりにくい。このため、1年間程度は新旧測定法による駆動時間を併記してもよい、とされている。

 2月20日時点で、Ver.2.0の採用を予定しているのは、ASUS JAPAN、NECパーソナルコンピュータ、エプソンダイレクト、東芝、日本ヒューレット・パッカード、パナソニック、富士通、マウスコンピューター、ユニットコム。このほかのメーカーも今後採用する可能性がある。