2014年2月19日、イノベーションをテーマとしたイベント「Hack Osaka 2014」が大阪市内で開催された。主催するのは大阪市で、昨今話題のハードウエア関連のベンチャー企業を米英から招いたほか、国内外のベンチャー企業や大企業とのパネルディスカッションなどを催すなどして、大阪市を拠点とした新産業創出の可能性について意見交換した。

写真1●毎週配信される塗り絵「Monster of the week」
写真1●毎週配信される塗り絵「Monster of the week」
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 基調講演の1人は、英BERG創設者兼CEOのMatt Webb氏(関連記事:モノとWebが情緒をもってつながる、それが我が社のIoT)。同社は、ネット接続を前提としたプリンター「Little Printer」など、Web連携型のスマートデバイスを開発している。講演では、同社の設立経緯やLittle Printerの開発で得られた知見を紹介した。例えば、「塗り絵の定期配信など、開発側が想定していなかった、新しい使い方をユーザーが生み出してくれた」といったエピソードだ(写真1)。講演の後半では、ロンドンで急成長しているベンチャー集積地の最新事情を紹介した。

 Webb氏は講演の締めくくりとして、自身やロンドン市の経験を踏まえて2つのメッセージを紹介した。一つは、クラウドファンディング(ネットを使った資金調達)やネット上の協業などを活用することで「ハードウエアの新しい世界は、小さな組織から生まれるようになった」というもの。もう一つは、ロンドン市が推進するベンチャー支援を通じて、「楽観主義や起業家精神を大事にすべきだ」とし、同じようなことが大阪でも生まれつつあるとエールを送った。

写真2●腕時計型のスマートデバイス「Pebble」
写真2●腕時計型のスマートデバイス「Pebble」
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 2人目の基調講演者は、腕時計型のスマートデバイス「Pebble」を開発する米Pebble Technology創設者兼CEOのEric Migicovsky氏(写真2)。同氏は、「INPULSE」という名前で開発に着手した当時から現在に至る前の開発ストーリーを紹介。「ユーザーの声を聞きつつ、MVP(Minimum Viable Product)を作る」「最初の段階で最適化しない」「心配しすぎない」など、自身の経験から得た知見やノウハウを来場者と共有した。