米Rambus社Research Director, Rambus LabsのDavid Stork氏
米Rambus社Research Director, Rambus LabsのDavid Stork氏
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 米Rambus社Research Director, Rambus LabsのDavid Stork氏は、「Trillion Sensors Summit Japan 2014~1兆個のセンサが医療/農業/建物/交通を覆う~」において、同社が開発を進めるレンズレス画像センサーについて講演した。コストを下げて使い捨てにすることで、画像センサーの用途を拡大できる可能性があるという。

 光学レンズを用いる一般的な画像センサーでは、入射光をレンズによって結像させている。だが、Rambus社の画像センサーでは光学レンズを使わず、デジタル処理によって所望の画像を得る。一般的な画像センサーにおいてコストの大半を占めている光学レンズを不要とすることで、大幅にコスト化を削減できるという。「画像センサーのコストを15米セントぐらいまで下げられれば、使い捨ても可能になる」(Stork氏)。

 一般的な画像センサーに比べれば、解像度はそれほど高くない。しかし、「常に高解像度の画像が必要なわけではない」と同氏はいう。むしろ、用途に合わせて解像度を最小限に抑える設計にすることで、さらにコストを下げる余地が生まれるという。例えば、バーコードを読み取る用途に絞った画像センサーや、物体の形状はよく分からなくても動きは追跡できる画像センサーといった具合だ。加えて、コンピュータによるデジタル処理の技術は急速に進歩しているため、解像度についても低コストで高められるようになる可能性があるという。