米Googleがイスラエルのセキュリティ技術企業「SlickLogin」を買収したと複数の海外メディア(米TechCrunch米PC MagazineイスラエルGeektimeなど)が現地時間2014年2月16日までに伝えた。SlickLoginは自社のWebサイトで同社がGoogleに加わったと報告している。TechCrunchによるとGoogleも買収について認めているという。

 SlickLoginはWebサイトなどにログインする際に用いられる「2要素認証(2段階認証)」を簡便にする技術を開発している企業。通常の2要素認証は、トークンや、あらかじめ登録したスマートフォンなどに送信されるワンタイムパスワードを使うが、SlickLoginの技術は高周波音を利用するのが特徴。具体的にはログイン手続き時にパソコンのスピーカーに再生される、人間には聴くことが困難な高周波音をスマートフォンの専用アプリで拾う。アプリがこれを復号化し、専用の反応音を符号化して再生し、パソコンのマイクを通じてWebサイトのサーバーに送るという仕組み。ワンタイムパスワードと同様、高周波音は一定時間のみ有効なため、ほかの利用者の音を録音して悪用することはできないという。

 SlickLoginの社員は、Or Zelig最高経営責任者(CEO)、Eran Galili最高技術責任者(CTO)、Ori Kabeli技術開発担当副社長の3人。同社は創業から1年にも満たない若い企業で、まだ自社製品はない。2013年9月に開催されたTechCrunchのイベントで初めてその技術を披露し、注目された。

 なお買収金額などの詳細は明らかになっていないが、Geektimeは数百万ドルと伝えている。またSlickLoginはGoogleが買収した5社目のイスラエル企業となる。Googleはこれまで同国の、iRows、LabPixies、Quicksee、Wazeを買収している(関連記事:Google、「Google Maps」モバイルアプリにWazeの交通情報を統合)。

[SlickLoginのWebサイト]