写真1●シスコシステムズ バイスプレジデント グローバルテクノロジー政策担当 ロバート・ペッパー氏
写真1●シスコシステムズ バイスプレジデント グローバルテクノロジー政策担当 ロバート・ペッパー氏
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写真2●日本のモバイルトラフィックの予測
写真2●日本のモバイルトラフィックの予測
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写真3●デバイス別の平均トラフィックの変化
写真3●デバイス別の平均トラフィックの変化
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 シスコシステムズは2014年2月14日、2013~2018年の5年間における世界および日本のモバイルデータのトラフィックについて、予測を発表した。予測では、世界のモバイルトラフィックは2018年に、2013年の11倍近くまで増加する。中でも日本は、1人当たりのモバイルトラフィックが群を抜いて多くなるという。

 トラフィックの予測について説明した、シスコシステムズ バイスプレジデント グローバルテクノロジー政策担当 ロバート・ペッパー氏は、「毎年、調査結果に関して驚いたことを発表しているが、今年は三つあった」と述べた(写真1)。

 一つは、モバイルのトラフィックで日本が世界をリードすること、二つめはトラフィックのオフロードのため無線LANの重要度がさらに増すこと、三つめはM2M(Machine-to-Machine)のデバイスが増え、IoT(Internet of Things)が加速すること──だ。

 同社の予測によると、世界のモバイルトラフィックは、2013年に1.5エクサバイト/月だったのが、2018年には11倍近い15.9エクサバイト/月になるという。

 日本では、2013年に205ペタバイト/月だったのが、2018年には約9倍の1.8エクサバイト/月と予測されている(写真2)。「この1.8エクサバイトという数字は、世界のトラフィックの11%以上を日本が占めることを意味する。驚愕のデータだ」(ペッパー氏)。

 1人当たりで計算すると、2018年に日本では14.4Gバイト/月であるのに対し、米国は8.1Gバイト/月、西ヨーロッパでは4.5Gバイト/月と、日本が他の地域をリードする。

 日本でのモバイルデバイスの種類については、2018年にはスマートフォンが全体の49%となり、携帯電話(フィーチャーフォン)は急速に減少するという。さらにセンサーなどのM2Mデバイス、タブレット端末の割合が上昇し、それらのトラフィックも増加すると予測している(写真3)。

 比率で見ると、特に急速に増えるのがM2Mだ。ペッパー氏は「最も驚いたのがこのカテゴリーの存在だ。何もなかったところから、いまや最も重要なカテゴリになっている」と述べた。日本のM2M接続数は、2018年には2013年の6倍に増加すると予測している。また、M2Mカテゴリに今回初めて追加したウェアラブル端末については、2018年の世界全体で見た台数は、2013年の8倍に増加すると予測している。