米IDCが現地時間2014年2月13日に公表した中国スマートフォン市場の調査によると、2013年第4四半期(10~12月)における同国の出荷台数は9080万台となり、同年第3四半期の9480万台から4.3%減少した。同国のスマートフォン出荷台数が前の四半期を下回るのは2011年第2四半期以来初めて。「これまで9四半期連続で成長を続け、世界最大のスマートフォン市場になった同国にとって初めのつまずき」としている。

 中国では、米Appleが加入者数で同国最大の通信キャリアChina Mobile(中国移動)と契約を結び、2014年1月から同社によるiPhone 5sと同5cの販売が始まった(関連記事:China Mobileが1月17日にiPhone販売を開始、Appleが提携を正式発表)。また今後は2G/3Gネットワーク対応の端末から4G対応端末への移行が進む。こうした市場の成長を支える要因はあるものの、今後の成長はより緩やかなものになるとIDCは予測している。

 IDCシニアリサーチマネージャのMelissa Chau氏は「これからは、初めてスマートフォンを購入する顧客を獲得することよりも、毎年既存顧客に対し買い替えを促すという、より時間と労力のかかる作業が必要になるだろう」と述べている。

 IDCは中国市場の成長減速に伴い、2つのトレンドが顕著になると指摘している。1つは、2013年に出荷台数規模で世界3位になったインド市場の成長。もう1つは中国メーカーの世界進出。後者については、米Motorola Mobilityの買収を決めたLenovo Group(聯想集団)や、同国で急成長しているXiaomi(小米科技)のほか、Oppo、BBK、Gioneeなどまだ世界で名の知られていないメーカーも国外市場を狙うだろうとIDCは予測している(関連記事:Lenovo、GoogleからMotorola Mobilityを29.1億ドルで買収)。

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