「世界中のアクティブユーザーが、OpenStackコミュニティーの成長を支えている」──。オープンソースのクラウド基盤構築ソフトウエア「OpenStack」をテーマにしたイベント「OpenStack Days Tokyo 2014」が、東京・御茶ノ水で2014年2月13日と14日の2日間にわたって開催される。OpenStackプロジェクト共同創始者の1人であり、OpenStack FoundationのCOO(最高執行責任者)を務めるMark Collier氏が初日の基調講演に登壇。OpenStackの利用が急拡大し、OpenStackそのものもハイスピードで機能強化が進んでいることを強調した(写真1、写真2)。
Collier氏は講演の冒頭で、「あらゆる企業にとってソフトウエアは戦略そのものになっている。“ありもの”のソフトウエアをボックスで買ってきてもうまくいかないと気付き始めたユーザーは、自ら専門家を抱えてソフトウエアに革新をもたらし、新しいビジネスを生み出している」と説明。そうしたユーザー企業にとってOpenStackのエコシステムが魅力的なものであり、多くのユーザーがOpenStackを利用するようになっているとした。
OpenStackがオープンソースプロジェクトで開発されており、世界中の多くのアクティブユーザー参加していることが、OpenStackとの急成長を支えているという。「実際にOpenStackを使ったユーザーが、クラウドをもっと変革したい、もっと俊敏にしたいと要望をフィードバックする。また先進企業のベストプラクティスを共有することで、OpenStackはさらに進化していく」(Collier氏)。
Collier氏は、放送事業者の米Comcast、流通事業者の米Best Buyなど、OpenStackを活用してビジネスを変革している事例を紹介。映画会社の米Digital Film Treeでは、1日数Tバイトにもなる映像データをOpenStackの基盤上に置いて制作会社と共有し、映像制作のやり方を大きく変えているという。また日本でOpenStackを活用するユーザーとして、ヤフーやグリー、国立科学研究所などを紹介した。