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 NTTおよびNECは2014年2月12日、4K/60P映像(3840×2160画素、毎秒60フレームの順次走査映像)のHEVC符号化方式によるリアルタイム圧縮を実現したと発表した。さらにNECは、4K/60P映像に対応したリアルタイム圧縮装置「VC-8150」を開発し、同日に販売を開始した。

 新技術の特徴として三つを挙げる。一つは、NTTによる可変ブロックサイズに適応したフレーム間予測やフレーム内予測におけるハードウエアアルゴリズムである。このアルゴリズムを開発し、SoC(System on Chip)で実現可能である見通しを得たという。

 第二は、画像をいくつかのブロックに分割する処理において、瞬時に画像を分析して最適なブロック分割を行う「最適圧縮パラメータ推定技術」の開発である。

 第三は、画像領域の境界部分における画像劣化を抑える「画像境界処理技術」の開発である。4K映像を4領域に分割した画像を各々処理して結合表示したときの各領域をまたぐ部分の画質低下という課題に対応した。

 NECが開発したエンコーダ装置(図1)は、Main10プロファイル@Level 5.1に対応する。10bit階調で毎秒60の映像をリアルタイムで圧縮する。符号化データ速度は最大40Mbpsである。圧縮処理を全てハードウエアで実行する。映像信号の入力は、3G-SDI×4あるいは1.5G-SDI×8に対応する。

 NECは、エンコーダ(VC-8150)とデコーダ(VD-8100)の2014年4月出荷開始を予定する。今後4年間で100台の販売を目指す。

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