米Googleと台湾のHon Hai Precision Industry(鴻海精密工業)がロボットの開発で協力していると複数の米メディア(MashableArs Technicaなど)が現地時間2014年2月11日に米Wall Street Journalの記事を引用して報じた。

 GoogleではAndroid部門の元責任者Andy Rubin氏が昨年、同社の研究部門「Google X」に異動したと伝えられた。Wall Street Journalによると、同氏とHon HaiのTerry Gou(郭台銘)会長は最近になって面談し、ロボット技術について話し合った。この面談でRubin氏が最新のオートメーション技術のデモを行い、Gou会長がそれに感銘を受けた。Rubin氏はGoogleが買収する企業の技術を生かすためにHon Haiの機械工学に関する専門知識が必要だとし、Gou会長に協力を求めたとWall Street Journalは伝えている。

 Googleは昨年、米Boston Dynamicsなどのロボット開発企業を合計8社買収したと伝えられた(関連記事:Google、四足歩行ロボット「BigDog」で知られるBoston Dynamicsを買収)。Googleのロボットへの取り組みを最初に報じた米The New York Timesによると、Googleは、電子機器の組み立てや、米Amazon.comなどが手がけている流通施設のオートメーション化といった分野のロボット開発を目指している。

 そうした中、Hon HaiとGoogleのこの協力体制は、双方の狙いが一致しているとアナリストらは見ている。Hon Haiは、自動車や医療機器のような利益率が高く、資本集約的な製品の製造業者を目指している。また同社は傘下の中国Foxconn Technology(富士康科技)の製造ラインを自動化し、コスト高などの問題を解決したい考え。一方Googleにとって、世界最大の電子機器受託製造業者であるHon Haiは、ロボット技術開発の最適な試験環境になるという。アナリストらはGoogleがロボット向けのOSを開発すると予測している。