著名投資家のCarl Icahn氏は現地時間2014年2月10日、米Appleの株主に宛てた書簡を自身のWebサイトに掲載し、同社に対する自社株買いの要求を取り下げる意向を明らかにした。

 Appleは2013年9月時点で1300億ドルの現預金残高があるが、Icahn氏は投資家に利益を還元するべきだとして、2014会計年度(2013年10月~2014年9月)中に500億ドル相当の自社株買いを実施するよう提案し、株主に賛同を求めていた(Icahn氏の過去の公開書簡)。

 しかし議決権行使助言サービスの米Institutional Shareholder Services(ISS)はIcahn氏の提案に賛成しないよう株主に勧告。またAppleは過去2週間で140億ドル相当の自社株購入を実施したことを明らかにした。2014会計年度中にさらに180億ドル相当を買い入れる見通しという。

 AppleのTim Cook最高経営責任者(CEO)は最近の自社株買いについて「臨機応変かつ積極的に好機を生かすための行動」と述べている。

 Icahn氏は、「ISSの勧告には失望した」としながらも、Appleの今回の行動に異議を唱えるつもりはなく、同氏が要求していた目標に極めて近づいたとして、これ以上自社株購入を求める必要はなくなったとの見解を示した。

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