SDN(Software-Defined Networking)およびNFV(Network Functions Virtualisation)向けのオープンソースソフトウエア(OSS)を開発するOpenDaylight Projectは2014年2月4日(現地時間)、最初のソフトウエアリリース「Hydrogen」の提供を開始した。OpenDaylight Projectのサイトからダウンロードできる。
OpenDaylightは、SDNやNFVを構築するためのオープンプラットフォーム。それを実現するソフトウエアがHydrogenである。企業、サービスプロバイダー、装置ベンダー、学術機関は公開されたHydrogenのコードをダウンロードし、評価したり、SDNやNFVの商用サービスに展開したりできるという。
今回リリースされたHydrogenは、「Base Edition」「Virtualization Edition」「Service Provider」という3つのエディションがある。
Base Editionは、基本的な機能だけを搭載したエディションで、SDNやOpenFlowの調査・研究などに使える(図1)。主な機能は、以下の通り:
- コントローラー(OSGiベースのマルチプロトコル対応SDNコントローラー)
- OpenFlowプラグイン
- OpenFlowプロトコルライブラリー(OpenFlow 1.3ベースの実装)
- OVSDB(Open vSwitch Database)
- YANGツール
Virtualization Editionは、データセンター向けのエディション。Base Editionに、仮想テナントネットワーク(Virtual Tenant Network:VTN)やオーバーレイネットワーク、セキュリティ機能などを追加している(図2)。このエディションで追加された主な機能は以下の通り:
- Affinity Metadata Service(上位のアプリケーション/ワークロードがネットワーク機能を制御するためのAPI)
- Defense4All(DDoS攻撃の検知・緩和のためのフレームワーク)
- Open DOVE(オーバーレイによるマルチテナント構築用ネットワーク仮想化機能)
- Virtual Tenant Network(OpenFlowによるマルチテナント構築用ネットワーク仮想化機能)
なお、Open DOVEは米IBMが、Virtual Tenant NetworkはNECがコードを寄贈している。
Service Provider Editionは、通信事業者向けのエディション。Base Editionに、既存ネットワークをSDNやNFVに対応させるための機能を追加している(図3)。このエディションで追加された主な機能は以下の通り:
- Affinity Metadata Service
- BGP-LS/PCEP(トラフィックエンジニアリングに利用)
- Defense4All
- LISP(Locator/Identifier Separation Protocol)フローマッピング
- SNMP4SDN
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