写真●アスクルの福田剛EC店舗販売本部ビッグデータ統括部長
写真●アスクルの福田剛EC店舗販売本部ビッグデータ統括部長
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 アスクルは2014年2月に、個人向けの日用品通販サービス「LOHACO」のビッグデータを分析し、食品・日用品メーカーの商品開発などに生かす「LOHACO ECマーケティングラボ」を設置する。ラボで実務を束ねるアスクルの福田剛EC店舗販売本部ビッグデータ統括部長が日経情報ストラテジーの取材に応じ、データ分析を手掛ける担当者の人数を「少なくとも現在の2倍にしたい」と語った(写真)。

 現在、アスクル内でデータ分析を手掛ける担当者は約10人。ラボの設置を機に、これを20人程度にまで増やしたい意向だ。アスクルのデータ分析担当者は味の素やプロクター・アンド・ギャンブル・ジャパンなど食品や日用品のメーカー12社と共同で、新商品やマーケティング手法の開発に取り組む。当初はアスクルやメーカー12社を含めて、50人ほどの研究員がラボに参加する予定だ(関連記事:アスクルが1年強のLOHACOサービス実績を踏まえ、取引先とビッグデータの研究ラボを設置)。

 例えば、LOHACO内で併売されやすい商品を特定し、複数のメーカーが一緒になって販促キャンペーンを展開するケースを想定する。LOHACOのデータとメーカーの基幹システムに蓄積したデータを組み合わせて分析し、商品の品切れや在庫変動などを見極め、サプライチェーン改革も手掛けたい考えだ。ラボでは研究会を定期的に開催し、各社で成功事例を共有できるようにする。

 福田統括部長はラボを設置する背景として、「LOHACOビジネスの拡大」と「技術進化」を挙げた。LOHACOについては、2013年12月だけで約10億円を売り上げた。2014年5月期にLOHACOで100億円という売り上げ目標の達成も視野に入っているという。技術進化については、データ分析基盤やソフトが充実し、「価格も加速度的に落ちている」(福田統括部長)という見方を示した。