米Googleが検索事業において欧州競争法に違反しているとして追及を受けている問題で、欧州連合(EU)の欧州委員会(EC)は現地時間2014年2月5日、Googleから是正策のさらなる譲歩案を受け取ったことを明らかにした。

 EC競争政策担当のJoaquin Almunia氏は「新たな是正案は、我々の懸念を払拭する内容になっている」との見解を示している。

 ECは、GoogleがWeb検索およびオンライン検索広告市場における独占的地位を乱用している疑いがあるとして2010年11月に調査を開始。2013年3月に、4点の主な懸念について競争法違反にあたるとの初期判断をGoogleに通達した。Googleは同年4月に是正案を提示したが、ECはさらなる譲歩案を要求。Googleは10月に是正案の改良版を提出した(関連記事:Googleの欧州競争法違反問題、「和解の方向」と米英メディアが報道)。しかしECは懸念を完全に払拭するには不十分だと判断。これを受け、Googleは今回2度目の改良版を提出した。

 新たな是正案では、GoogleのWebページ上で自社専門サービスへのリンクを付ける際は必ず、ユーザーがはっきり視認できるかたちで3つの競合サービスへのリンクを掲載することなどを確約している。

 そのほか、Googleはこれまでに、Googleの専門検索サービスにコンテンツが使用されることを拒否できるオプションをWebサイトに提供すること、パブリッシャーにGoogleからのみ検索広告を取得することを強要しないこと、競合検索プラットフォーム上での広告キャンペーンの展開および管理を制限しないことなどの施策を示している。

 ECは、今回の是正案について競合企業などから意見を募集したのち、最終的な判断を下す。ECが承認した場合、是正案は法的拘束力を持つことになる。

 なお、是正案承認により検索事業の件で調査が終了しても、Androidを巡るGoogleに対する調査は継続される(関連記事:Google、今度はAndroidの問題で欧州当局の調べを受けることに、米メディアが報道)。

[発表資料(1)]
[発表資料(2)]